2016年8月11日木曜日

立山三山登山 3 内蔵助山荘ー別山ー雷鳥荘ーみくりが池温泉

昨日の晴天とは打って変わって、外に出ると風が強く霧であたりは真っ白です。10mも離れると見えなくなってしまいます。
曇ってはいるのですが、偏光サングラスは濃いままで、結構紫外線は強いんだろうなと思います。

真っ白な世界の中、道標と地図を頼りに歩いていくのですが、今回はスマホアプリのYAMAPがとても役立ちました。ある三叉路で本来右に行くところを左に行ってしまったのですが、GPS機能で自分が地図上のどこにいるのかが分かるため、元の道に戻ることができました。もちろん、三叉路の時点で地図で確かめれば良かったのですが。ただ、霧の中でそこが三叉路なのか、1本の道なのかも分かりづらく、道標もどっちを向いているのか微妙な感じだったので、助かりました。

別山からは1時間半ほどくだっていきます。ここで雷鳥に会ったり、お花畑があったり、朝露をたっぷりと含んだチングルマの美しさに感動したり、のんびりゆっくりくだっていきました。

ようやく降りてくるとそこにはキャンプ場があり、色とりどりのテントが張られており、まるでキャンディボックスのようです。



ただここから立山最大の難所と言われる永遠と続く階段があります。ようやく降りてきたという安堵感で、緩んだ緊張感と筋肉をもう一度打ち振るわせて登っていかなければなりません。



みくりが池温泉で2日間の汗を流し、さっぱりとして帰宅です。


頂上は目指すところではあるけれど、そこは居場所ではなく、次の頂上へと向かっていきたくなってきます。さて、次はどんなところにいけるだろかと思いを馳せながら、富山駅でお寿司と地酒を美味しくいただきました。(了)

ノドグロ、ホタルイカ、白海老などなど
北陸新幹線

立山三山登山 2 雄山ー大汝山ー真砂岳ー内蔵助荘

さて、登山者・学校行事・観光客でごった返す雄山山頂をから大汝山(3015m)に向かう道に入ると、先ほどの雄山への道とは違って、ぐっと人が少なくなりました。
ここらか、標高3015mから2970mの間の道を歩いて行くので、それほど上り下りは激しくありません。ただ、依然足元は岩だらけで、片方は崖になっているので結構慎重に歩いていかなければなりません。










大汝山にある山小屋は映画「春を背負って」のロケ現場になったところです。以前見た映画なので、感慨深いです。





大汝山からは真砂岳に向かってくだっていきます。

15時には一泊する内蔵助山荘に到着。取り囲む山々を見ながら、1日の山行をねぎらって飲むビールは最高です。内蔵助山荘は、こぢんまりした山荘で、料理も家庭的な感じで美味しく、とくにナメコ味噌汁が絶品でした。
ただ、夕方から段々と曇ってきて、夕焼けや星空を見ることができなくて残念でした。
夕方、外に出てみると、眼下に雲が迫って来る様子を見ることができました。雲は夏の太陽に照りつけられ疲れた木々や山々を癒しているかのようでもあり、また、太陽に光におさえ込められていた闇の力がよみがえり、これから迎える夜に向かって、仲間を集めているようでもあります。その大きな力を感じるうねりの中、山小屋で守られている小さな存在とまたその安心感も感じました。どの場面か忘れましたが、ディズニーのファンタジア2000の一場面を思い出しました。
山小屋での夜、辛いのは与えられた1枚の布団しか行き場所がなく、8時頃には寝るしかないことです。それで、朝まで目が覚めなければそれはそれでいいのですが、そういうわけにはいかず、何回も目が覚め、早く朝にならないかと願うばかりです。

2016年8月9日火曜日

立山三山登山 1 室堂ー雄山



 毎年、夏に妻と共にというか、妻に連れられて夏山に登っています。今年は、雄山・大汝山・別山という立山三山です。いずれも3000m級の山です。ガイドブックや雑誌を見たり、インターネットで調べても、イメージがわかないのですが、やはり目の前にすると登山への気持ちが高まってきます。 しかも、何と言ってもご覧の通りの晴天。今からチャレンジする山が目の前、「ここまで来い」と迫ってきます。 
 まずは富山から電車・ケーブルカー・バスを乗り継いで室堂まで。すでに標高2450mまで連れて来てもらっています。標高差でいうと600mを登るだけですが、ただただ登って行くわけです。 すでに2400mを超えているため平地と比べて空気が薄いので、ゆっくりと、でも着実に登っていきます。 
 まずは、「一の越」まで、ここから「雄山」まで直登で300mを登り、頂上を目指します。300mというのは、東京タワーか100階建てのマンションを階段で登っている感じです。石ころだらけ、岩だらけのガレ場なので、ヒーヒーハーハー言わないようにゆっくり登っていきます。




上から見下ろすと足がすくみます。


雄山の頂上は左上に見える神社のあるところ、でも拝観料500円を払わないと通してくれないので、今回は眺めるだけ。

1時間半ほどかかってようやく山頂に。 なんでこんなしんどい思いをして登るのかと自問自答、また人からも聞かれながらも、山頂に立つとそんな問いは消え去ってしまいます。その爽快感、達成感、そして雄大な自然の中にいる自由さはここでしか味わえないものです。 ただ問題はそこにじっとしていることはできないということです。 頂上は、じっとしておれないところです。そこから、別の頂上へ。そして、次のステップへ。(つづく)




2015年8月14日金曜日

白山登山 4 ご来光から下山

山小屋で一泊し、朝の3時には目覚めて、ご来光を見るために御前峰まで300mほど登っていきます。すでに4時前になると、登山道には多くの人が列を作り、5時6分の日の出を目指して登り始めています。


御前峰に到着すると、すでに夜は明け始め、頂上でご来光を待つ人がみな東の空を見つめています。その少し高い岩の上に神主が下駄を履いて立ち、人々に白山信仰、白山、そして白山から見えるアルプスの山々の説明をしてくれます。



ご来光の瞬間は、暗闇から一点まぶしい光が現れたかと思うと、どんどんとその光が大きくなっていきます。まさにそこにいのちの誕生を感じるような瞬間です。


頂上から御前峰と室堂の間にあるお池を自然観察員の案内で巡り、1時間半ほどで再び室堂の山小屋に戻ってきました。

山の上から見た山小屋
そこからはひたすら山を降っていくのですが、下りは心肺機能への負担は少ないですが、足腰の筋肉を十分に使わなければなりません。


行き交う登山客が汗をかき、フーフーいいながら山道を登っているのを見ると、がんばって欲しいという気持ちと、自分たちはこの苦しみを終えた者だという優越感を感じます。しかし、あっという間に降りられるわけではなく、3時間半ほどかかって出発した別当出合まで帰って来ました。


同行してくださった人たちと缶ビールで乾杯する。なにものにも代えがたい一瞬です。この一口のために2日間歩き通したといってもいいでしょう。


2015年8月10日月曜日

白山登山 3 お花畑に癒される


富山、石川、岐阜、福井にまたがる白山は、富士山、立山とともに日本三名山(三霊山)に数えられる山です。今から、717年に越前の泰澄がはじめて白山に登り修行をしたことによって開山され、白山信仰の基となりました。2年後には開山1300年となります。


わたしたちは別当出合から観光新道という急な登りに挑戦したのですが、暑さでへばりそうになりながらも、ゆっくりと一歩一歩と登っていきました。その登山の疲れを癒してくれるのが涼しい風とそして山道の傍らに咲いている高山植物です。

白山は特にお花畑でも有名であり、日本の花の百名山に数えられているほどです。なかなかその花の名前を覚えられないのですが、いくつか紹介いたしました。

ノアザミ
ミヤマダイモンジソウ
ハクサントリカブト
クロユリ

他にもたくさんの花が咲いており、急な上り坂を越えるとそれが本当にお花畑のように一面に咲いているところに出会います。まあそれは地獄から這い上がって、天国に到達したような思いになるものです。ただ、そのお花畑をハイジのようにスキップしながら駆け巡るというような感じでもありませんし、きれいな花ですが、決していい香というわけではなく、花は花で生き残るために自分のお気に入りの虫をおびき寄せるために、独特な臭いを放っています。悪臭を放つものもあり、虎の肛門の臭いとも言われるものもあります。

とにかく、そんな花や涼しい風に押し出されて、本当に一歩一歩進んでいき、登り始めて5時間、標高2400mの「室堂」に到着し、最終的な目的地である「御前峰(ごぜんがみね)」2700mをすぐそこに見上げるところの山小屋で一泊いたします。
手前の山が室堂、その奥に見えるのが御前峰
わたしたちが泊まった山小屋、横幅60cmぐらいの布団が1人分の居場所




2015年8月9日日曜日

白山登山 2 いよいよ出発、でも暑い

翌朝5:30に金沢駅からバスに乗って、白山登山口「別当出合」(1260m)に向かいます。早朝にもかかわらずすでにバスはほぼ満席。
ここから「室堂」(2450m)へ向かって出発です。晴天は嬉しいのですが、暑くて、登り始めると汗が吹き出してきます。




白山登山 1 ちょっとその前に

白山登山のために、金沢に宿泊。夕食までの時間に、東山ひがし茶屋街を散策しました。江戸時代の情緒を残す建物が立ち並び、粋な一つ一つの建築細工に目が奪われます。
「志摩」というお茶屋を見学させていただきました。外は35度を超える猛暑ですが、部屋の中はクーラーの機械的な刺すような涼しさではなく、目と耳と心で感じる粋な涼しさがありました。何か昔の夏休みを思い出すような感じです。