2011年6月15日水曜日

和の教会

昨日は、教育実習にいっている学生を訪問するために豊中に行ってきました。色々と悩みながらも一生懸命に教育実習に取り組んでいる学生の姿を見て、こちらが励まされたり、自分の教育実習の時の失敗を思い出したりしました。

その学校へと向かう道で、興味深い教会建築に出会ったのでご紹介します。これは豊中カトリック教会です。

まず外から一番目に着いたのは、十字架の下の飾りです。よく教会の屋根には十字架が付けられているのですが、その十字架が三段の台座とその上の七重の飾りの上に立てられています。まるで仏教寺院の相輪を連想させるような構造です。ただ相輪は九段で円形の飾りですが、こちらは七段でまるで十字架が組み合わされたような構造です。

正面入り口の雰囲気は神社のような感じです。

聖堂も和の雰囲気を醸し出しています。

正面の聖画には富士山が描かれており、上には聖母マリアと幼子イエス、左には小さき花の聖テレジア、右にはアレキサンドリアの聖カタリナが描かれています。小さき花、小さきバラと呼ばれる聖テレジアの手から羽原の花びらがこぼれ落ちて、富士山に降り注いでいるようです。

聖壇の上につるされた、光の飾りも印象的で、2人の天使が向かい合ってその火を守っているかのような様子はヨーロッパでもよく見かけるモティーフです。この飾りの形も色も、また赤い光もとても印象的でした。


この教会は、1939年にチェコの建築家ヤン・ヨセフ・スワガー氏によって建てられたそうです。スワガー氏は聖路加国際病院、また神戸のモスクの建築家としても知られた人です。

この教会は、豊中に住んでいた手塚治虫氏の漫画『スリル博士』にも登場しているということですが、この漫画を読まれた方はいますか?

教会から少し離れたところには豊中伏見稲荷神社があります。スワガー氏がこの周りの建築にインスピレーションを得たかどうかは分かりませんが、何となく親和性を感じました。