2010年10月7日木曜日

ハイデルベルク大学神学部

ドイツに滞在して6ヶ月が過ぎましたが、留学先のハイデルベルク大学神学部のことについてはあまりお伝えしなかったことに気がつきました。

ドイツの大学でも、理学系、工学系、医学系の学部は拡張し、人文科学系は縮小気味です。いわゆるアルテ・シュタット(旧市街)と呼ばれるところに文学、哲学、神学、法学などの人文科学系の学部が点在していて、わたしたちが住んでいるキャンパスには、医学系、生物科学系の学部が建てられています。また、ハイデルベルク大学はキャンパスII という新しい理系のキャンパスを拡張する計画でいます。

人文科学が軽視され、哲学や宗教と分離されて発展していく自然科学の問題性を懸念する声も聞かれます。

ハイデルベルク大学の神学部は現在約700人ほどの学生が所属していますが、いわゆる旧市街の一番端にあります。別に端に追いやられたというわけではなく、以前からそこにあり、大学の中でも非常に古く伝統のある学部です。

神学部本部入り口
エキュメニカル・インスティテュート
ここには(手前)エキュメニカル学生寮もあります。
10年前、ここで一人で住んでいました。
ただやはり人文科学系の学部として段々と縮小しているのは、感じられます。今は、神学部の地下にあった駐車場を改築して、図書館にする工事中です。神学部は、学術的神学部門、実践神学部門、エキュメニカル・インスティチュート、神学国際センターを持っています。このうちの学術的神学部門と実践神学部門はそれぞれに図書館を持っているのですが、それを合体し、図書館の全体的な規模を縮小しようとしています。

昨日、図書館に行って学術雑誌を見ていると、なんと見慣れた絵が目に飛び込んできました。

それは日本のマンガの『聖(セイント)☆おにいさん』です。日本のマンガがドイツの神学雑誌の表紙を飾っているなんて、びっくりです。

この雑誌は「schlangenbrut」(シュランゲンブルート、まむしのやから/邪悪の徒」という名前がつけられており、そのコンセプトは「フェミニズム・宗教に興味がある女性のための雑誌」と書かれています。今回は「イエス」がテーマで、その中の一つの記事として『聖(セイント)☆おにいさん』が取り上げられています。

昨日は時間がなかったので、内容は読んでいませんが、バネッサ・ギョルツという人が「神曲 マンガ『聖(セイント)☆おにいさん』」という論文を書いています。

また、今度内容を紹介します。

日本の神学部のみなさん、1年かかって数十頁のドイツ語を読んで論文を書くよりも、あっという間にマンガを読んで、論文を書いた方がいいかもしれませんよ。でも、マンガを読んで、それを神学的に解釈できるようになるためには、よっぽどしっかりした神学的な基礎が必要ですけどね。

2010年10月4日月曜日

金色の秋

ドイツでは、秋は「Goldener Herbst 金色の秋」と呼ばれています。

いよいよ、金色の秋を迎え、家の周りの木々も色づいて来ました。


ドイツ再統一20周年を迎えた、昨日、午後からハイデルベルク城の後ろの山(Königstuhl、ケーニッヒ・シュトゥール・王の座)にバスで登り、そこから街へと降りてきました。
先週はほとんど雨でしたが、昨日は半袖でも大丈夫なよい天気で、たくさんの人が太陽を求めて外に出てきていました。山の頂上に向かうバスも一杯。窓が開かないバスの中が、一番汗をかいたかもしれません。

山の上の森、また山道を歩きながら、秋のすがすがしい雰囲気、マイナスイオン、森林浴を楽しんできました。

ふと、足元を見ると、なんだか見覚えのあるイガイガが。そう、今度は本当に食べられる栗が、そこらじゅうにごろごろと転がっています。丹波の栗に比べれば、実が小さいのですが、正真正銘の食べられる栗です。落ちているものはほとんど空っぽですが、次から次に落ちてくるので、結構集めることがで来ました。

あまりにたくさん落ちているので嬉しくなり、ぬれた石に足を滑らし、ズボンは泥まみれ、手はすりむいてしまいましたが、気持ちの良い秋の午後でした。