2010年4月10日土曜日

ドイツで日本(アジア)食

外国で生活する中で問題になるのは、食事です。もちろんドイツのものを食べる上には、何の問題もないのですが、やはり日本食を食べたいものです。では、その材料をどこで手に入れるのか。17年前には日本人同士でいろいろと知恵がありました。スパゲッティをゆでてビニール袋に入れて一晩冷蔵庫に入れておくと焼きそば用の麺になる。白アスパラをゆでて、わさび醤油で食べると刺身みたい。ザウワークラウト(酢付けの千切りキャベツ)をどうにかすると漬け物になる。小麦粉でうどんを作ることも覚えました。
ところがグローバル化が進んで、あらゆる民族がいろいろな地域で住み始めると、流通も変わってきます。10年ぐらい前からでしょうか。アジアショップが増え始め、中国料理店はもちろんのこと、韓国料理店、日本料理店もどんどん増えてきました。この1週間ほどでハイデルベルクの街の中で「Sushi」という看板を10カ所ぐらい見ました。
アジア食料品店も10年前に比べるとずいぶん充実していました。10年前によく行っていたアジア食料品店に行ってみると、無くなっていて、「あぁ、やっぱりつぶれてしまったのか」と思ったところ、表通りに5倍ぐらいの大きさになって営業していました。

アジア食料品店「タイガーとドラゴン」。なんか安直なネーミングですけど。

はたしてどんなものが売られているのか。
やったー!「出前一丁」しかも、神戸照り焼きビーフ風味。日本で見たことない。さっそく買って、昨晩食べました。なんとなく照り焼きビーフ風味でした。1袋、約100円。昔はまだあまりこんなラーメンはなく、韓国産「辛ラーメン」をヒーヒーいいながら食べていました。
まだまだある、出前一丁の横に、親方ラーメン塩味。喜多方ラーメンは知っているけど、親方ラーメンは聞いたことない。
そうめん、そば、うどんの乾麺。そば1袋4束、360円、え〜、意外と安い。でも味は分からん。
そばを食べるには、だしが必要です。それもあります。「キッコーマン本つゆ 3倍濃縮 300ml」、約600円、高〜っ!やっぱり純日本製は高い。


そして、なんと言ってもお米。見てください、このいかにも日本のお米らしいパッケージ。10年前もこのお米を食べていました。それに、10年前と変わらずローマ字で「Shinode」ってか。どこの江戸っ子に読んでもらって、アルファベットにしたんでしょうか。これがそんなに高くなくて、 10Kg4000円弱。イタリア産と聞いたこともあります。まあまあいけます。
そろそろ日本米も食べたくなってきましたが、荷物と一緒に送った炊飯器がまだつきません。あと1ヶ月ぐらいかかりそうです。


最後に寿司。このアジアショップの横の普通のドイツのスーパーに行くと、なんと寿司コーナーが。内容によって違いますが、1パック約1000円ぐらいです。

やっぱり、ドイツではドイツのものを食べるのが一番ですね。500グラムのイチゴがなんと130円ですよ。日本で1000円ぐらいしそうなチーズが500円ぐらいです。ワインに至っては、選ばなければ1瓶200円。またいつかドイツの肉屋さんの報告をします。

でも、早く炊飯器来ないかなぁ。

2010年4月9日金曜日

分類ついでに

 ドイツ人の分類好きは、ゴミの収集にも表れています。まず、リサイクルマークがついたものは、奥の黄色のコンテナ、生ゴミはその右の小さな茶色のコンテナ、紙は青いコンテナ、それ以外のゴミは黒コンテナです。生ゴミは処理をして肥料にするそうです。
 でもこのゲストハウスは外国人が多いためか、分類がめちゃくちゃ。生ゴミをビニールの袋に入れて捨てている人もいる。それは有機的に分解できないでしょ。リサイクルゴミに他のゴミも入っているし、どうしたもんでしょう。しかもリサイクルゴミは、洗ってから捨てるべし。ドイツ人曰く、「ゴミを洗う人を雇うために税金を払うぐらいだったら、自分たちで洗って捨てた方がいいでしょう」。なるほどなぁ。税金払っているから、そっちで何とかしろという国とは少し違います。
 ガラスビンは緑ビンを黒い小さなコンテナに、白(透明)ビンは緑の小さなコンテナに入れます。茶ビンもあるじゃないですかといわれると思いますが、茶ビンの多くはビールです。これはスーパーでビン代を返してくれるので買ったスーパーに持っていきます。
マヨネーズもヨーグルトもビン、プラスティック容器は日本に比べて極端に少ないです。ビールもアルミ缶はほとんどありません。だから買い物が、買って帰るのも、返しに行くのも重たい、重たい。
その他に街角に古着コンテナもあります。
この分類好きが分かれば、der, des, dem, den / eine, einer, einer, eine 男性名詞、女性名詞、中性名詞という分類も簡単、簡単(のはず)。

日本の洗濯機か、ドイツの洗炊く機か。

昨日、洗濯を話題にしたので、洗濯についてもう一話。

ドイツでは昔洗濯物を炊いて、洗濯していました。大きな鍋でそれこそその下で火を炊いて洗濯していたのです。それゆえ、いまでもドイツの洗濯機のプログラムでは、何度で洗濯するかという設定があります。何もなければ20度か40度、その上が60度、95度の設定もあります。ですから、白い物、色物、材質ごとにきちんと分けて、洗濯するのです。一回の洗濯もおよそ1時間かかるので、洗濯だけでも何時間もかかってしまいます。一度間違えてこどものセーターを高温で洗濯してしまい、人形の服ぐらいに縮んでしまったことがあります。
この分類好き、完璧主義がまさにドイツ人で、ドイツ語の文法もまさに、このようにきちんと分類されています。アジア的なまぜこぜの文化が嫌なのです。
先日、日本に行ったことのある方が「日本で一番信じられないのが、冷水で洗濯していることだわ。日本ではよっぽど強い洗剤を使っているんでしょ。それは、環境に悪いんじゃないの。ドイツは環境を意識して、水温を上げて、それほど強い洗剤を使わないようにしているの」と言っていました。この、ドイツ人の自意識の高いところもあきれるやら、尊敬に値するやら。どうしてそんなに自分たちが世界を背負っているというような意識になるんだろうかと思います。やはり、かつてヨーロッパが世界の中心であったことが、影響しているのでしょうか。
日本の洗剤についてはよく分かりませんが、特に環境に悪いとは思えません。それで、どうしてそんなに水温を上げてるのかと聞くと、「60度でバクテリアが死ぬからじゃない」という答えが返ってきました。ヒエー、ドイツ人はバクテリアのことを考えて洗濯していたのか。そういえば、下着にまで高温のアイロンを当てていたのを思い出します。
「日本では、バクテリアはどうなの」と聞かれたので、答えに困って「たぶん日本のバクテリアはドイツのよりも弱いと思います。きっとおぼれ死んでるんじゃないですか」と答えておきました。
恐るべしドイツの洗炊く文化。
 

2010年4月8日木曜日

あこがれの50セント硬貨

17年前に初めてドイツに来たときほどは緊張もしていませんし、以前7年間住んでいたので、すいすいと事が運んでいますといいたいところですが、ところが10年間にいろいろと変わっているし、やはり外国は外国、思うようにはいかないことが多いです。以前住んでいたので知っているという気持ちと、実際の事柄の進み具合が違うアンバランスさに悩まされています。もちろん、以前とは住む環境が違うのと、ドイツから帰国後10年で日本の便利な社会に慣れてしまったので当然かもしれません。


わたしが住んでいる部屋にはアイロン、冷蔵庫、コーヒーメーカー、掃除機とほとんどのものはそろっているのですが、洗濯機だけがありません。洗濯は、地下1階にコインランドリーがあって、そこでお金を払って洗濯機を使うことになります。1回2ユーロ(およそ270円)です。初めて洗濯に行ったときに気づいたのが、その2ユーロを50セント硬貨4枚で払わなければならないことです。2ユーロ硬貨1枚でも、1ユーロ硬貨2枚でもダメ、50セント硬貨4枚でないとダメです。いま、みなさんの財布に50円玉が4枚入っていますか? それに気がつかずに、50セント硬貨1枚入れて、1ユーロ硬貨や20セント硬貨、10セント硬貨で払おうとしたら機械が受け付けないし、2ユーロ硬貨に至っては投入口に入らない。しかたないので、払い戻しのボタンを押してもこれまた帰ってこない。くっそー、ちきしょうー!そういえばこの融通の気かなさがドイツ、5ユーロ紙幣でおつりも出しますなんて気の利いたことが出来ないのもドイツ、その機械の横に両替機を置くなんてお客様本意でものを考えないのがドイツだったということを思い出しました。それから、せっせと50セント硬貨を集めるのですが、なかなかそんなうまくおつりが来るような買い物が出来るわけではありません。ようやく今朝、50セント硬貨4枚を握りしめて、洗濯に行きました。

神学部の図書室には、カバンを持って入ってはならず、コインロッカーに預けるのも2ユーロ硬貨ではないとダメ。

それからもう一つ腹立ち日記。昨日、市役所に行って転入届を済ませました。外国人だとどうもこの役所というのが、何となく嫌な感じがします。緊張して、前の日に必要な書類を整えて、無事転入届を済ませました。よしよし、これで順調に進んでいると一安心。
今度は、今日、銀行に行って口座を開設しなければなりません。その際に、昨日の転入届を見せると、「あなたはアルメニア人ですか」という変な質問。「えっ?」と聞き返すと、「転入届には誕生地:明石・アルメニア、国籍:アルメニアとなっていますよ」と言われました。よく見てみると、確かにアルメニアとある。しかも、結婚日も違っているし。
銀行での手続きを終え、再び市役所へ。日本のように「どうなってるんや、こんな間違いあり得ないでしょう」と勢いよく言いたいところですが、どうもこういう言葉を語学学校で習わなかったせいもあり、興奮する発音も乱れるので、落ち着いて「すみません。これ間違っていると思うんですけど、ちょっと調べてもらえますか」という表現しかできません。
窓口の女性は、「そうですね。パスポートを見せてください。あら、違っていますね。でも、結婚したのはアルメニアでしょう」となぜかアルメニアにこだわる。「いいえ、違います。そんなことを一切書いた覚えはありません」というと、「そうですか。はい、訂正しておきました」というだけです。「すみませんの一言はないんかい」と凄むこともできず、「ダンケ、さようなら」といって帰ってきました。
くっそー、ちきしょうー! そういえばこの決して謝らないのがドイツだったということを思い出しました。何でもすぐ謝ってしまう日本に暮らしていると忘れていたことでした。

2010年4月5日月曜日

二つの教会スキャンダル

いま、2つの教会に関する事件が、ドイツで話題になっています。
一つは、カトリック教会、特にカトリック系学校におけるの青少年に対する性的暴力事件です。今回の発端は、今年の1月にベルリンのカトリック系学校の校長が、1975年から1983年に卒業したかつての生徒たちに、当時性的暴力があったこととその謝罪を手紙で送ったことでした。それがきっかけとなった、次から次に各地で同様の事件が明確になり、メディアは1995年から97名の司祭や教会関係者が性的暴力に関わったことを突き止めたのです。ドイツのカトリック教会のホームページにもその経過、対応、声明、報道、ホットラインについての情報が記載されています。ドイツ・ビショップ協議会議長のツォリッチュ司祭は、イースターメッセージの中で、教会はこれまで被害者の立場に立って十分なことをしてこず、性的暴力を見過ごしてきたことを謝罪し、新しく教会を建て直していくことを表明しました。
ビショップ・ツォリッチュ司祭の記者会見(YouTube)

カトリック教会がこの事件で動揺している中で、プロテスタント教会はショッキングな事件を経験しました。
ハノーファー州教会のビショップでEKD(ドイツ福音主義教会)の議長を務めていたマルゴット・ケースマン牧師が、2月20日(土)の夜11時頃、赤信号を無視して車を運転。その場で、警官に止められ、検問されたところ、飲酒運転であることが分かった。
彼女は才能豊かで、行動的で、進歩的で、ドイツで非常に人気があり、期待されていた人物でした。様々なテレビ番組にも出演し、若干行動が派手な面もありましたが、注目されていた人でした。
彼女は、自分の行動の責任を取り、4日後の2月24日にはビショップもEKDの議長の座も退き、一人の牧師としてやり直すことを記者会見(YouTube)で表明しました。
彼女に対する評価は様々ですが、そのいさぎよさ、決断力がさらに評価されているようです。わたしがこの1週間に出会った多くの人が、彼女のことについてわたしに話してくれ、彼女は退く必要がなかったかもしれないが、彼女の決断に敬意を表すると語っていました。

イースター礼拝 ペテロ教会

 4月4日(日) 今日は、イースタです。大学教会でもあるペテロ教会のイースター礼拝に出席してきました。礼拝の中で聖餐式も行われました。司式と説教は、わたしの指導教授のテオ・ズンダーマイアー教授です。知っておられる方も多いと思います。彼は、「このイースター礼拝の説教が、わたしが担当する最初で最後のイースター礼拝の説教です」といっていました。最初というのはどうかと思いますが、確かに教会の牧師でなければ、なかなかクリスマスやイースターに説教をする機会はないものです。わたしも、教会の牧師として働いていなかった15年ぐらいはクリスマスやイースターに説教をしたことはありません。
礼拝は、イースターキャンドルの入堂と共に始まり、美しい音楽の演奏に導かれたものでした。
教会の様子はYouTubeで。
午後は、ズンダーマイアー教授の家に招待され、今年1年の研究計画・研究テーマについて話し合いました。その中で、「最近の神学はキリスト教を外側から見ようとする傾向が強い。その必要性も分かるが、どうも人ごとのような感じがする。キリスト教の中からの神学が見直されなければならない」という言葉が印象的でした。