2010年11月26日金曜日

クリスマス市 3 デコレーション

クリスマス市に売っているものに、クリスマスのデコレーションがあります。
元々はドイツのどこかの小さな工場や地方の家内工業で作られた手作り品が売られていたのでしょうが、市場がグローバル化した最近は一体どこから来たのかと思われるもの、またこれって日本でも見たことがあるといわれるような国籍不明の飾りで一杯です。

でも、そういう飾りを見て歩くのもなかなか楽しいです。

伝統的にはクリスマスの飾りというと、イエスの誕生場面を木彫りの人形で表現したもの(クリッペ、クリッペは飼い葉桶の意)ですが、本物というか、ドイツで作られたものは結構高価で、ここで売られているものはたぶんイスラエルでオリーブの木から作られたものだと思います。オリーブの木のものは木目に特徴があります。クリックして拡大するとだいたいの値段が分かります。


伝統的なものから、こういうカラフルなもの、天使のフィギュア−も人気みたいですが、この座っている天使は、よく日本でも見かける座っている動物たちの姿にそっくりじゃないですか。

星の飾りも欠かせません。伝統的には、へルンフートの星というこの売店の軒につけられているのがよく知られています。

左側に写っている猫たちは、よく見かける東南アジア産の飾りのような気もします。手前にあるのは、リカちゃん人形のパーティードレス?

ロウソクも買って、飾りも買ったら、次はクリスマスプレゼントです。(つづく)

2010年11月25日木曜日

クリスマス市 2 ロウソク

もう17年前になりますが、ドイツのクリスマス市を見て、最初はものすごく感激しました。だんだんと暗くなっていく季候のせいで気分も落ち込んでいく中で、本当に救われたと思えるような明るさと暖かさ、安らぎを感じることが出来ました。

しかし、日本と比べると「あれ?」と思うことが二つほどあります。
  • 飾りや電飾が全然派手ではなく、地味だということ。
  • クリスマスソングがクリスマス市の中にも街の中にも流れていない。
日本の電飾、最近何の影響か日本の普通の民家に飾られている電飾に比べれば何とも簡単で、ただ小さな電球を繋げただけという感じです。
それに、「ジングルベル」も「諸人こぞりて」も「きよしこの夜」も「We wish a Merry Christmas」も流れていません。基本的に静かです。

でも、この素朴さというか、過剰なつくられた飾りのなさ、静かさが、本当にほっとさせてくれる雰囲気を持っています。何か忘れていたものを思い出させてくれるようなそんな優しさがあります。

そんなクリスマスの雰囲気に欠かせないのが、ロウソクです。暗い部屋の中でロウソクをつけて過ごすなんて、なんだか貧乏くさい感じがするのですが、これがまた何とも言えない安らぎと暖かさを醸し出してくれます。

もちろん、クリスマス市にもたくさんのロウソク屋さんが並んでいますので、少しご紹介します。

なんといっても欠かせないのが蜜蝋ロウソクです。
うっ、ちょっとにらまれてる。
蜜蝋ロウソクの蜂蜜の香りとリンゴの香りの組み合わせがたまりません。(つづく)

クリスマス市 1 開幕!!!

1週間前にお伝えしたように、今日、11月24日からハイデルベルクではクリスマス市が始まりました。

クリスマス市はドイツ語では
Weihnachtsmarkt(ヴァイナハット・マルクト)
Adventmarkt(アドヴェント・マルクト)
Christkindlemarkt(クリストキントレ・マルクト)
という名前がつけられています。
Weihnachten(ヴァイナハテン)がドイツ語のクリスマスで、Weih(聖なる)Nacht(夜)という意味です。
Christkind(クリストキント)もしくはChristkindle(クリストキントレ)は、別にキリストが筋トレするということではなく、12月24日にこどもたちにプレゼントを持ってきてくれる天使のような存在です。よくこどものイエスという風にいわれますが、全く別の存在です。特にカトリック地方で使われる表現です。

このクリスマス市では、クリスマスプレゼントになりそうなもの、またクリスマスシーズンに必要なものが売られています。また寒い中、そこでいただく食べるソーセージやグリュー・ワインが最高です。

さて、そのクリスマス市の様子を少しずつお伝えしていきたいと思っています。クリスマス市で一番雰囲気がいいのは、なんといっても夜です。そこに雪でも降っているとバッチリですが、その時にはマイナス10℃ぐらいになっているので、しっかりと着込んでいかなければなりません。
今日は比較的あたたかい方で、4℃ぐらいでしたが、ハイデルベルクのクリスマス市の最初の夜の風景を少しお楽しみください。

クリスマス市は朝から始まっているのですが、その中でも夕方5時に市役所のベランダでクリスマスの歌が歌われ、市長のメッセージが語られることで、クリスマス市の開幕が告げられます。すると周りのお店の電気が点灯されます。

巨大なクリスマス・ピラミッド
帽子屋さん、寒い冬には欠かせません。
クリスマスのテーブルクロス
 お店はまだまだあります。お楽しみに。(つづく)

2010年11月22日月曜日

ステンドグラス in ハイデルベルク −6−

久しぶりにステンドグラスの話題を。
昨日、11月21日(日)にハイデルベルクのペトロ教会で、このブログでもたびたび紹介しているシュライター氏の新しいステンドグラスの奉献礼拝と記念コンサートが開催されました。
テーマは「聖霊」です。
礼拝では2人の神学部教授によるこのステンドグラスに関する解釈を含む説教が行われました。
朝、礼拝後に撮影したもの
さて、そのステンドグラスを見てください。どのような感想、またどのように解釈されるでしょうか。

聖書の中で、聖霊は次のようなテーマで描かれています。

  • 人間にいのちを与えた「神の息」としての霊
  • 聖霊によってイエスを身ごもったマリア
  • イエスの洗礼において鳩のようにイエスに降ってた聖霊
  • 助け主としての聖霊
  • 弟子たちをこの世界へと使わす聖霊
  • 人々に語る言葉を与える聖霊
  • 分裂しているものを一つにする聖霊
  • 人間に自由を与える聖霊 等々
さて、このステンドグラスからどのような聖霊のメッセージを受け取られるでしょうか。
夜、コンサート前に撮影したもの。外から光をあてています。
礼拝が終わってから、また記念コンサートが終わってから、それぞれに自分の解釈を語り合いました。


  • 下の左右の二つの白い帯は、聖霊を受け止めようとして上に伸ばしている手のようだ。
  • 下の三本の四角は、それぞれの聖霊の受け止め方を描いている。
  • 真ん中の黒い四角はイエスであり、洗礼を受けたイエス、そしてロウソクのように自らのいのちを燃やして(犠牲にして)、人々に光と暖かさ(愛)を与えているイエスのようだ。そしてその光によって横の2人が復活の光(白)と聖霊(赤)にあずかっている。


というものがありました。そういう解釈を語っていると、新約学者のタイセン教授、彼のおつれあい、シュライター氏も加わってきて話が盛り上がりました。その中で9月に日本を訪問されたタイセン夫人が「このステンドグラスはまるで日本の障子のように見える」と語られたのがとても印象的です。日本人のわたしたちが無意識の中で、ドイツのステンドグラスと日本の障子との繋がりを排除していたのに対して、自由になされた発想はとても新鮮で、刺激的で印象的でした。

解釈に正解はありません。みなさんはどのように解釈されますか。色の意味、形の意味、みなさんの人生経験を通して解釈してみてください。