さて、午後3時にブリュッセルを後にして、ハイデルベルクへ向かいました。およそ、約460kmの距離です。
車のコンピュータ表示では、ガソリン8リッターで100km走っているとの分析。(ドイツ人は燃費を表現するときに1リッターで何km走るがではなく、100km走るのに何リッターのガソリンが必要かを問題にします。考え方の規模が違いますね。)
じゃあ残りのガソリンで300kmぐらいは余裕でいけるだろうと思っていました。ベルギーもドイツもわたしにとっては外国ですが、何となくドイツでガソリンを入れたいという気持ちが働き、ひたすらドイツに向かって走っていました。
ベルギーの高速道路のガソリンスタンドでトイレ休憩をし、さらにドイツに向かって走り、この調子でいくと夜の7時にはハイデルベルクに到着する予定です。
ベルギーとドイツの国境を越え、「ルクセンブルク大公国→」という表示を目にしながら走っていると、「燃料切れ」の警告ランプが点灯。なんだか燃料計の後半は急に減っていったような気が、、、、。
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ルクセンブルクは神奈川県ほどの大きさの国 |
まあ、その内ガソリンスタンドがあるだろうと走っていると、どこまで行っても、何にもない、延々と高速道路が続いている(ような気がした)。
これはちょっとやばいかもしれない、高速道路でガス欠になったら最悪なので、とりあえず高速道路を降りて、近くの町で給油をしようとしました。
高速の出口を出て、ナビでガソリンスタンドを探してみると、あと4kmのところにガソリンスタンドがありました。
ああ、よかった、まあ、あと4kmだったらなんといけるだろうかと思い、ナビに従って走っていると、「ここでUターンしてください」との指示が、「えっ、Uターンって!!!」。ガソリンスタンドは反対方向だったわけです。
貴重なガソリンを無駄にしてしもた。しかたがないので、Uターンすると、なんと先ほどの出口の近くでストップ。もう全然動きません。
そこで、レンタカー会社のヘルプデスクに電話をして助けを求めました。この電話のやりとりに、まあ、腹が立ったこと。
わたし:「あの〜、いまレンタカーで走っていましたら、ガソリンがなくなってしまったんですが。」
ヘルプデスク:「それじゃ、ガソリンスタンドでガソリンを入れてください」
そんなことはわかっとるわーっ。ガソリンを入れたくても、車が動かんから電話をしとるんじゃろが、と叫びたい気持ちを抑えつつ、状況を説明しました。でも慌てると、ドイツ語もしっちゃかめっちゃか。
状況は説明できましたが、一番問題が、「ここは、どこ」です。ヘルプデスクは「あなたがいる場所が分からなければ、助けにいけません」との一点張り。
そりゃそうでしょう、広いヨーロッパの中でどこかに助けに来てくれっていわれたって、無理なことは重々承知しています。
でもこっちも初めて来たところです。家も、店も、何にもない田舎の道で、この道が何号線かわかりません。道路標示もありません。出口の名前の表示もないところでアタフタしてるわけですから、答えようがありません。ナビもいまいちで現在地情報が出てこない(走行中も突然画面が真っ白になる)。
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妹が撮影したアタフタして電話している状況です。 |
いろいろと説明しても決定的な情報がないので、しかたがなく、歩いて道路の番号や地名を探しに行き、もう一度電話することにしました。
そうこうしているところに、1台の車が近づいて、「どうしたんですか?」と尋ねてくれました。事情を説明すると、少しだけガソリンを買うためにわたしを近くのガソリンスタンドまで連れて行ってくれて、また車まで戻ってくれました。
わたしがガソリンスタンドに行っている間にも、何人もの人が、車を止め、声をかけてくれたそうです。ハプニングの中で、ドイツ人の優しさに触れた1時間でした。
最後にちょっとしたアクシデント付きの、人の優しさに触れた3日間の旅でした。
みなさんも、早め早めの給油をお忘れなく。また、困っている人には、声をかけてあげましょう。