2011年2月5日土曜日

ドイツ鉄道

いまさらですが、ドイツの鉄道についてです。

昨日は、ドイツを訪問していた両親をフランクフルト空港まで見送りに行くため、ハイデルベルクから列車で空港に向かいました。


2階建て普通列車
普通列車の座席(2階席)

最近は、愛想のないドイツの鉄道会社DB(デェー・ベー)も若干親切になり、案内もキップを買う窓口もずいぶんと優しくなりました。以前は、窓口の前には長い行列があり、いつも待たされて、しかも愛想のない応対を受けなければならなかったのですが、ドイツで開催されたサッカーのワールドカップ(2006年)以来、接客態度、車内の案内アナウンスが改善されたそうです。10年前は、列車が着く数分前に次の駅の名前が一言「Heidelberg(わたしたちにはハイ#+@*$$と聞こえる)」といわれるだけでしたが、最近は「このたびはDBをご利用いただきありがとうございました。あと数分で次の停車駅Heidelbergに到着いたします。出口は進行方向に向かって左側です。またのご乗車をお待ちしています」とまでいうようになりました。

「な〜に〜ぃ?DB、やれば出来るじゃん」といいたくなるところです。

特に便利なのは、家のコンピュータでキップ、座席を注文し、それをA4の紙に印刷していけばキップになるというサービスです。これでもう窓口に並ぶ必要はなく、またわかりにくくて、いつも壊れているような自動券売機と格闘する必要もありません。しかも、3日前にキップを注文すると、割引料金で変えるのです。ただし、予約した列車以外の列車に乗るときは追加料金を払わなければなりません。これはずば抜けて、便利で、お得。日本からでも、ドイツ語さえ分かれば、キップを買うことが出来ます。

昨日も、事前にキップを印刷して、駅に向かいました。ハイデルベルクから、隣町のマンハイムに行き、そこで特急列車に乗り換えて、フランクフルト空港駅まで約45分ほどの移動です。

ところが、昨日両親をフランクフルト空港まで送っていくために、少し早めにハイデルベルク駅に着くと、なにやらザワザワしています。どうもハイデルベルクからマンハイムまでの列車が動いていないようです。人々は「ストライキらしい」「列車が遅れている」と口々にいっています。そこにマンハイム行きの列車がホームに入ってきたので、安心して乗り込むと、列車は動かず、10分ほどしてから「この列車は運行しません。別の交通機関をご利用ください」というアナウンスが2回ほどありました。意味が分からないので、隣のドイツ人に聞くと、「分からないけれど、ここに座っていてもなんの希望もない.別の交通機関を使うしかない」と説明してくれました。

ドアは緑のボタンを押して乗客が自分で開ける
別の交通機関? 確かにハイデルベルクからマンハイムまで路面電車が走っていますが、約1時間かかります。列車で15分、路面電車で60分。そのことに対する案内も対応もDBの方では全くなし。乗客は自分で解決策を探すしかありません。駅員はクールに対応しているし、乗客はその駅員に詰め寄るわけでもありません。

「う〜ん、やっぱりDBはDBか?」と思った次第です。

わたしたちは路面電車に乗ってマンハイムまで行き、マンハイムの駅のインフォメーションで列車運行中止証明書をもらい(そうしないと予約していない列車に乗るので追加料金を取られる)、無事に1時間遅れですが空港に到着しました。少し余裕を持って出発していたので、空港でパニックになることもなく、両親は日本に向けて出発していきました。

マンハイム駅で列車が走らなかった理由を聞くと、「人身事故」だったそうです。それはしかたがありません。

ドイツの最速特急ICE
ICEの座席、座席と座席の間に電源コンセントがあります。便利
しかし、ハイデルベルク駅でも、マンハイム駅でも一切「申し訳ありません」という言葉がついたアナウンスや案内はありません。人身事故はわたしたちDBの責任ではない。自分たちに責任のないことに対しては、たとえ乗客に迷惑をかけたとしても、絶対に謝らない。乗客も「どうなっているんだ、一言謝ったらどうだ」なんて詰め寄る人もいません。自分たちに直接責任がなくても、何か分からないけれど責任を感じてまず謝ってから物事に対処しようとする日本人とのの違いです。やっぱり、日本人の方がストレス多いかも。

2011年2月3日木曜日

ハイデルベルク大学神学部 学位記授与式

今日は、ハイデルベルク大学神学部の学位記授与式が行われましたので、出席してきました。
ドイツの大学には、いわゆる日本の卒業式にあたるようなセレモニーはありません。4年生もしくはそれ以上の学生がその学期の終わりに、晴れ着を着て一堂に会して、「はい、これで卒業しました」というようなセレモニーは行われません。試験を受け、資格を取るための必要な書類を整えれば、自分でさっさと次のステップへと進んでいきます。ドイツはドイツで独自の学位制度があるのですが、ボローニャ・プロセスという学術的な国際化(アメリカ化)が進められています。現在神学部でもドイツの学位制度とボローニャ・プロセスによるものとが混在している状況でした。
ドイツの学位は単に卒業学位と言うよりも、研究者になっていくために越えていかなければならない関門です。

Diplom(学士)→Magister(修士)→Doktor(博士)と進んで、ようやく研究者として認められます。教授になるためには、その後教授資格審査であるHabilitationを受けなければなりません。

Doktorは、論文を書いて、その後に神学5科目に関して、各専門の教授から口頭試問を受けなければなりません。

Habilitationになると、論文を書いた後、学部から提示されたテーマ(3つ)について、4週間の間に準備をして、教授陣の前で講義をしなければなりません。もちろん、そのテーマについての質疑応答も含まれます。そこで、研究能力だけではなく、教授能力も審査されるわけです。なかなか厳しいシステムです。(だからといって現在の教授の講義方法がすばらしいというわけではないのですが。)
旧大学校舎にある講堂で授与式が行われました。

ハイデルベルク大学では、各学部で学位記授与式が行われます。今日行われた授与式では、キリスト社会福祉学科で、Diplomが3人、Magisterが8人、Doktorが1人でした。
神学部本科では、Magisterが2人、Doktorが7人、Habilitationが2人でした。


授与式は、学部長と副学部長と共に学位受領者が入場してきます。
まず、ピアノ演奏があり、学部長の挨拶、それから全員の人物紹介(略歴)と短い論文紹介を行います。そして、学位記の授与があって、総代の挨拶、ピアノ演奏で終わりです。

ドイツにおいて、社会的に重要な学位ですが、式次第はA5にピラピラの紙、学位記はA4用紙といたって簡単です。証書フォルダーなんてものも、証書筒なんてものもありません。

式次第、今日は贅沢に色つき紙です。
Doktorを取られた一人の女性は、教会で補教師として働きながら、5人の子どもの子育てをして、博士論文を書き上げました。ドイツの牧師は暇だなんてことはなく、知り合いの牧師は年間50回の葬儀、週2時間の学校での宗教科授業をこなしているということです。もちろん説教、礼拝、教会行政、訪問、各種集会は基本です。恐るべしパワー。

彼女の論文テーマは、「キリスト教における『幸福』理解」でした。

2011年1月30日日曜日

晴〜れた空、そ〜よぐ風♪

気がつくと、ブログの更新も2週間ほど滞ってしまいました。

この2週間ほど、集中してこなさなければならない課題があり、それが終わるまではほとんど外にも行かず、家の中で、机に向かっていたので何も報告することがない悶々とした毎日でもありました。

昨日、その山をようやく越え、今日はようやく達成感と解放感を味わっています。


すると、なんと今朝の天気のすがすがしいこと、まだまだ寒いのですが、空には一点の雲もなく、晴れ渡り、冬の澄み切った空気の中で透き通った光が輝いているようです。状況が変わると見るものもこんなにも変わってくるのだろうかと思います。

この下の2週間前の写真と、今日の写真の違いです。

市場にはすでにチューリップが売られていたので買ってきました。まだ春は遠いけれど、その訪れを感じさせます。


沈んでいく夕日も12月よりも若干遅くなり、春や夏の太陽の光の強さの復活の気配を感じさせるものとなってきました。


イギリスの詩の一節「冬来たりなば春遠からじ」を思い出します。

留学の終わり、帰国の日も「遠からじ」です。

また、ブログ再開します。