「神の女性性」ポスター |
以前、「神さまを見たことがありますか」というブログで紹介したことがありますが、神さまと聞くと何となく、男性、父親というイメージがあります。しかし、その一方で、世界の宗教の中では神の女性性、母親性のイメージが表現されています。それが、いかにキリスト教に影響を与えているのかということが、この展示会のテーマです。
14のテーマに分かれています。
- 髪の毛、演出と覆い
- 「乳房の祝福」
- 執り成し
- 天の女王
- マアト 知恵の神 (エジプトの女神)
- 想像を超える秘密
- 生と死 母性と死の嘆き
- イシス 家族・ドラマ (エジプトの女神、生命力の具現者)
- 女神と植物
- 女神と動物
- 女神とライオン
- タニト 恐ろしい母? (カルタゴの女神)
- 処女性 闘う女神
- 女神と愛の使者としての鳩
どれもおもしろいテーマですが、まず次の一連の写真を見てください。
紀元前500年頃、バビロニア |
紀元前306−30、エジプトの女神 イシス |
紀元2年、シリア、ある石棺に刻まれた 母の胸像とその胸に抱かれたこども おそらく、出産時に二人とも死んでしまった思われます。 |
どこかで見たことのある姿ではないでしょうか。もちろん、こどもに母乳を与える姿はどの時代、どの国でも同じようなものでしょうが、その姿がモティーフとなって像が残されているは非常に興味深いです。
そして、どこかで見たことのある姿というのは、キリスト教のイエスを胸に抱くマリア像です。古代の女神像や女性像とマリア像を比べると、まさに古代に女神信仰がマリア像に影響を与えているということが分かります。
キリスト教の中で神の男性性ばかりが強調される一方で、いのちを生み出し、それを育む母性への原初的な憧れが、このような連鎖性の中に表現されています。