2014年8月20日水曜日

白馬三山 -4- 鑓温泉小屋からの猿倉へ下山

登山3日目、鑓温泉小屋で朝ごはん用にお弁当をもらい、5時30分に出発し、猿倉に出発しました。これからは基本下りで、3時間の行程です。8時半には着く予定ですが、休憩を含めて9時過ぎ到着を目指します。
下りといっても、雪渓を横切るところ、渓流の岩をわたっていくところがあり色々と楽しみながら歩いていきます。
猿倉から「ハァハァ」と息を切らして登ってくる登山客とすれ違う、下っていく楽しさを思いつつもこれから登山を楽しむ人たちをうらやましくも思います。


猿倉へ下っていく道にもきれいな高山植物が咲いています。高度が変わってくると花の種類が変わってくるのも楽しみです。


猿倉に9時半に到着し、そこから白馬駅の近くの「みみずくの湯」に向い、そこで3日間の汚れを落とし(温泉に入れましたが石鹸は使えません)、疲れを癒します。温泉に浸かりながら、遠くに白馬三山を見上げながら、3日間の美しい景色を思い出していました。

松本駅から「ワイドビューしなの」に乗って帰路につきました。家に帰ったら、最初に泊まったペンションから「メガネが見つかった」との連絡があり、万事めでたしめでたし。




2014年8月18日月曜日

白馬三山 -3- 杓子岳から白馬鑓ヶ岳へ

2日目は、白馬岳から出発して白馬三山の杓子岳から白馬鑓ヶ岳を通り、鑓温泉小屋に向かいました。

今回の登山で何が嬉しかったかというと、「素晴らしい天気」の一言に尽きます。雨がぱらつくことやガスの中を歩くこともありましたが、総じて素晴らしい天候でした。晴れ渡り、澄み切った空気によって、360度見渡すこともでき、遠くに富士山さえ見ることができます。雲の上、広い世界の中、小さな自分を感じながらも、そんな自分が今ここを一歩一歩歩いているわけです。


標高2812mの杓子岳は岩石に覆われたガレ場という斜面を歩いて行きます。丁寧に歩かないと自分が転ぶだけではなく、石が下に落ち人にケガをさせる緊張する道です。階段を跳ね上がっていくというよりも、一歩一歩足を前に出し、体重を移動していくように登っていきます。「一歩進めば、一歩近づく」という言葉を頭の中で繰り返しながら、急な斜面を登っていきます。


次に標高2903mの白馬鑓ヶ岳を目指していきます。せっかくここまで登ったのにまた降り、そこからまた登るのか。登ったままだと楽なのに、と思うのですが、この上り下りを繰り返しながら、山々を乗り越えていきます。それも一歩一歩でしか進んでいけません。"climb every Mountain"というのは、Sound of Musicの曲ですが、そんな歌が頭の中でよみがえってきます。
"A dream that will need All the love you can give
Everyday of your life For as long as you live
Climb every mountain Ford every stream 
Follow every rainbow Till you find your dream"

白馬鑓ヶ岳から、ガスの中へと降っていくのですが、結構この下り坂が、登り坂のように心臓や肺には負担がかからないのですが、足の筋肉に疲労がたまってきます。


そんな山道でわたしたちを癒してくれるのがきれいな高山植物です。その一つ一つに目をとめながら、白馬鑓温泉小屋へと向かっていきます。


朝の6時30分に出発し、12時30分には鑓温泉小屋に到着しました。この鑓温泉小屋は2100mに位置しますが、何よりもここには温泉が湧き出て、汗を流し、疲れた身体を癒してくれます。混浴の露天風呂と女性用の内風呂があるのですが、露天風呂は下のテント場や周りから丸見えで、お風呂に入っている人よりも周りの人の目のやり場に困るのが玉にきずです。とにかく、この温泉にゆっくりとつかり、身体も心も癒され、次の日の最後の山歩きに備えます。


(つづく)




2014年8月17日日曜日

白馬三山 -2- 白馬岳にて

白馬三山で最初に泊まった白馬山荘は800名収容という日本最大規模の山荘です。その歴史も古く、1905年に建てられたのですから100年近くの歴史があります。スカイラウンジでビールやコーヒーを飲みながら、山小屋建設のために畳3枚を背負って歩荷する歴史を物語る写真の展示を見ると時代の流れを感じました。

写真を撮り忘れたのですが、今回の山小屋としては豪華スペシャルルームでの宿泊をすることができました。何と2畳の2人部屋個室です。登山で一番悩まされるのが山小屋での宿泊です。以前富士山では一枚の敷き布団と掛け布団で見知らぬ人と2人で寝たこともありました。しかも、狭い山荘の中には他に居場所がないので、この布団の中か外にいるしかありません。それを思えば夫婦でそれぞれ畳一畳と布団一組の個室で寝られるのはまさに天国です。

ただ、この山小屋でテンションがた落ちの事実が判明。近視の度付きサングラスをかけて登山しており、遠近両用ハイブリッドメガネはメガネケースに入れてリュックの中に入れています。そのメガネケースがない。荷物をすべて出して、くまなく探しても、ない、ない、ない。身体は2900mにいるのに、頭の中はペンションの部屋にまで降り、休憩した場所、レインスーツを着た雪渓などすべての行程を駆け巡っていました。

電話していくつかのところに聞いてみましたが、ない、ない、ない。まるで2900mの絶景の山から真っ暗な海底1000mにまで落ちていったような気分です。

いくら考えてもないものはない。どっちみち山では遠くは見るけど、机に座って小さな文字を読むことはないので、気分を切り替えてサングラスで生活することにしました。ただ気分のせいか、サングラスのせいか、世の中ちょっと暗い。

山荘に重いリュックを置いて身軽なカッコで2932mの白馬岳まで登りました。白馬山荘、白馬岳からは周囲の山々が360度見渡すことができます。


剱岳などの立山連峰を見ると、いつかあそこに行けるだろうかと胸が躍ってきます。

一夜明けて、4時半にはご来光を見ようと多くの人がすでに山小屋の外に出ています。
とにかく、8月12-14日は珍しく快晴で本当に素晴らしい天気でした。1日の疲れを癒してくれそうな夕日とは違って、朝日はすがすがしい力を持ち、山々の自然にパワーを送り込んでくれているようでした。


さて、朝食も食べ、お弁当ももらって、目の前の杓子岳、白馬鑓ヶ岳に出発です。

左の台形の山が杓子岳、その奥の尖ったのが白馬鑓ヶ岳
(つづく)