2013年7月25日木曜日

シカゴの研修 - アメリカ最後の夜

実は、このアメリカの滞在で苦しんだのは睡眠。時差ボケの成果、初めてのアメリカ・英語社会で興奮しているのか、刺激的な出会いに頭だけが冴え、なかなか夜眠れなくていました。

そうなると困るのが、昼間の研修。睡魔と闘いながら、刺激的な研修を受けています。いろいろと考えさせられることが多く、アメリカの実践的でシステム化された考え方にいろいろと刺激を受けています。




そんな研究も終わり、シカゴの夜の街を散策すると、シカゴの夜景が日本でこの研修をどう生かすのかと問いかけ、また励ましてくれているようでもありました。


ドイツとはまた違う街の美しさ、日本にはない長年にわたって培われ、育まれた街の美しさに魅了されながらホテルへと向かっていきました。


すべてを終えて気持ちが落ち着いたのか、アメリカ最後の夜は、とてもゆっくりと眠ることができ、とても安らかな夜でした。

2013年7月23日火曜日

シカゴの2つのYMCA訪問

午前中にシカゴのアメリカYMCA同盟本部を訪問した後、非常に特徴的な2つのYMCAを訪れました。

最初に訪れたのが、Kelly Hall YMCAです。
このYMCAがある街は非常に経済的に貧しく、治安が悪く、麻薬・ギャングの問題を抱え、家庭環境も整っていない地域です。その街の真ん中にあって、子どもたちの居場所となっているのがこのYMCAです。


このYMCAの活動の中で、注目したのが、食育です。以前の記事でも書きましたがアメリカの中で肥満、また貧困と不健康・肥満が大きな問題となっています。安い、手をかけなくてすむ料理はカロリーが高く、肥満率が高くなります。もちろん、肥満による病気、腰や膝への負担は高い医療費を求めるものとなり、貧困と病気、病気であるがゆえにさらに貧困を引き起こしたり、職業に就けないという負の連鎖がそこに生まれてきます。



子どもたちの将来のために、自分たちで食事を作り、また食品のパッケージに書かれている成分表やカロリーの見方、食事の仕方の教育などが行われています。



ボランティア募集のポスター
その中で、ボランティアで働いているのが、紫のTシャツを着ている中高生たちです。彼らは、子どもたちのYMCAでの活動を助けると同時に、この活動が1つのキャリアとして認められ、自分の就職活動の際に自分の実績として提示することができるわけです。およそ500人の青年が応募し、その内の150人が採用されるそうです。また、そこでもれた人も他の団体に紹介しているそうです。

その他、裁縫、コンピュータ、コンピュータを使った雑誌の編集など、実践的な職業訓練も、それぞれの年齢と関心に応じて展開されています。
このYMCAがなければ子どもたちは家の前で一日中ボーッと立っているしかなく、またそこから犯罪の道へと落ちていかなければならない状況の中で、このYMCAは非常に重要な働きをしています。もう一つ訪れたYMCAは、50%以上がスペイン語を話す人々が生活する地域の中にあります。子どもたちにとって英語教育はアメリカで生きていく上で非常に重要なファクターであり、言語教育を中心に、ナースリースクール、サマースクール、学童保育がなされています。





特に紹介されたのが、ご自身が以前ギャングのリーダーであって、今は牧師となり、YMCAでギャングから子どもたちを救い出す活動をされている方です。その話は情熱的であり、ご自身の使命への確信に満ちたものでした。

全米的にいえるわけですが、この地域でも肥満、特に中高年の糖尿病率は高く、そのための対策としてYMCAのウェルネスの有効性を訴えていこうとされています。

目の前に問題がある。それは人と人との出会いや繋がりによって見えてくるものであり、その問題にYMCAがいったい何ができるのかが問われていることを実感しました。