2010年8月16日月曜日

オランダからベルギーに行く前に 美術館巡り

ヨーロッパでの生活の楽しみの一つに、美術館巡りがあります。今回訪れたオランダには、ゴッホ美術館、国立美術館、マウリッツハウス美術館などの有名な美術館があります。もちろん、パリには、ルーブル、オルセー。ミュンヘンには、アルテ・ピナコテーク、ノイエ・ピナコテーク。フィレンツェのウフィッツィ美術館など。ぜひ訪れてみたい美術館が各地にあります。歴史的な名画に直接出会えるのは、何にも代え難い喜びです。

ただ、知っている絵を見て、感激するだけではなく、美術史・文化史の知識があると、その絵がもっと多くのことを語りかけてくれます。わたしの場合、毎回、美術館を訪れた後、美術史を勉強したいと思い、本を買ったりするのですが、その後、家の本棚にしまったままになっているのが問題なのですが、、、、、、、、、。


さて、今回はアムステルダムのゴッホ美術館、国立美術館、デン・ハーグのマウリッツハウス美術館を訪れ、特にゴッホ、レンブラント、フェルメールと、彼らの同時代の画家たちの絵を楽しんできました。

わたし自身、芸術に関しては素人で、たくさんのことをお伝え出来ません。ただ、1枚の絵も描いた人の意図した絵画という一面と、見た人が受け止めた絵画という一面を持っています。わたしが今回受け止めた印象を少しお伝え出来れば嬉しいです。

ゴッホ(1853-1890)は、なんといっても「色」が特徴的です。色による解釈ということが言えるんじゃないでしょうか。

後で紹介するフェルメールやレンブラントと比べると、その絵はそれほど精緻なものではありません。ゴッホの絵は、写真のような絵ではなく、むしろその形は崩れています。

もちろん、ゴッホは精緻な描写を求めていたわけではないので、「お前にそんなことは言われたくない」と言い返されると思います。
ゴッホは自然の中にある色に魅了されますが、そのままの色を再現するのではなく、時にはそれを越え、ゴッホの解釈とその表現によって色が選べれています。

「ゴッホさん、あなたはどうしてこの色を使ったのですか」と尋ねるように絵を見ていくと、「では、あなたはどんな色を使いたいですか」と聞かれてくるような感じがします。



ゴッホ美術館のとなりにはアムステルダム国立美術館があります。小1時間ほど並んで、入ろうとすると館内から大音響でアラームが鳴り響いています。すわ、名画泥棒か?と思いましたが、10分ほどなり続いて、何事もないかのように中に入ることが出来ました。

さて、ゴッホから200年以上も時代はさかのぼるのですが、レンブラント(1606−1669)の絵に出会いました。ゴッホの絵に比べるならば、歴史画を描いたレンブラントの絵はとても精緻で、その時の状況が絶妙に描かれています。

彼の絵の特徴の一つは、「光」です。光と陰が非常にうまく描かれており、どこから光が来て、何に光が当てられているか。また、そのことで何が陰になっているかおもしろいです。つまり、彼が描いていた時にどこから光が差し込んでいたかという事実よりも、彼がどこに光を当てて描いたかということが、彼の解釈・主張として絵の中に表現されています。


アムステルダムから60kmほど南に行ったところにデン・ハーグという街があり、そこにはマウリッツハウス美術館があります。ここにもレンブラントの絵はあります。また、「フランダースの犬」でよく知られたアントワープの大聖堂に飾られているルーベンスの「聖母被昇天」の習作もあります。そのなかでも、人気なのはフェルメール(1632-1675)の「真珠の耳飾りの少女」でしょう。この絵がモチィーフになって映画も作られました。
フェルメールもレンブラントと同時代の画家ですから、光の使い方が絶妙です。わたしにとっては、フェルメールの絵の特徴は「瞬間」だと思いました。この少女がこちらを振り向いた瞬間、目線を向けた瞬間、その唇を少し開けた瞬間の美しさと意味を描いているように思えました。

これらの日本で一般的によく知られた画家の作品に出会うこと以上に、自分の知らなかったすばらしい芸術家たちの作品に出会いうことも大きな喜びです。


では、デン・ハーグから南へ180km、お菓子と小便小僧の街ベルギー・ブリュッセルへ。

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