2010年8月29日日曜日

空港チャペル この小さなものの一人にしたのは・・・

25日に家族がドイツに来たので、フランクフルト空港まで迎えに行き、そこから昔わたしたちが住んでいた、ドイツの故郷とも言えるシュベービッシュ・ハルに向かいました。

シュベービッシュ・ハルについては、後ほど書きますが、まずフランクフルト空港について。

ドイツの空港にはチャペルがあるのをご存じでしょうか。あまり、空港の中をうろうろすることはないと思うのですが、ドイツの主要な空港の中には礼拝堂があります。空港の中になぜ礼拝堂があるのだろうと思ってしまいます。礼拝堂だけではなく、そこには専属の牧師もいます。
←左に行くとプロテスタント・カトリック共有のチャペル
右→に行くとカトリックの牧会センター
わたしは、空港に行くたびに、とても複雑な感情になります。空港、特に国際線の空港というと、海外旅行、国際的なビジネスマンというイメージがあると思いますが、実際は様々な感情が入り交じった空間であり、そういう複雑な感情を感じ取るところでもあります。また、わたしたち自身がそういう感情を実際に経験した場所でもあります。ですから、空港に行くたびに、17年前に小さなこどもを二人連れて、見知らぬドイツに旅だったときの感情が、場内アナウンスのチャイムと共によみがえってきたりします。

空港には、いろいろな人たちがいます。

特に目を引くのは、これから海外旅行に向かう楽しく、高ぶった思いの人、楽しい旅の経験と共に帰国する人、また仕事や留学のために意気揚々と旅立っていく人たちです。

しかし、そこには、別れ、不安、悲しみ、失望、逃避を経験した人たちもたくさんいます。

難民の人もいます。

その国から追い出された人もいます。

自分の国から逃れてきて、新しい国に希望を懐いてきている人もいます。

家族と別れなければならない人もいます。

親しい人と別れて、自分の国に帰ってきた人もいます。

誰かと見送って、一人になった人もいます。

海外赴任・移住で、長旅で疲れた小さなこどもを連れて、大きな荷物のカートを押している家族もいます。

待合ロビーで涙を流している人もいました。

飛行機で隣に座った学生は、海外で2年間留学を終え、日本に帰り、全く質の違う2年間を過ごした日本にる恋人ともう一度うまくやっていけるのだろうかという不安を語っていました。

海外での夢が破れて帰国する人もいます。

空港は、そういう意味で、人生の非常に困難な状況が渦巻いているところではないでしょうか。そこで、チャペルで静かに祈ったり、また、そこにいる牧師と話をしたり、また社会的な助け・援助が必要な場合もあります。

そういう人生の危機の場面に、ドイツの教会は宣教の課題を見いだしているのです。このチャペルはすべての宗教者に開かれており、24時間いつでも利用することが出来ます。毎日お昼の12時に短い祈りの時を持っているそうです。

空港牧会のホームページをのぞいてみてください。

旅というのは、聖書の中でも、一つの重要なモティーフです。神さまが旅人を伴ってくれるというメッセージが至る所に書かれています。イエスは旅人して聖書に描かれています。「わたしが、・・・旅をしたときに宿を貸してくれたからだ」(マタイ25:35−36)。

ドイツには、高速道路(アウトバーン)のサービスエリアにも、アウトバーン教会(Autobahnkirche)があります。主要な駅には、バーンホーフス・ミッション(Bahnhofsmission、駅宣教団)があり、旅人のお世話をしています。長旅の船にも、牧師が同伴します。
また、空港には、イスラム教徒のための祈りの部屋も用意されています。

日本の宗教者はこういうことをどう考えているんでしょうか。

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