2010年9月29日水曜日

ベルリン ナチスの犠牲者たちを覚えて 2

昨日紹介したように、ナチス時代にはユダヤ人だけではなく、精神障害者やナチスに反対する政治家・宗教者、同性愛者、シンティ・ロマが強制収容所に送られ、そこで処刑されました。
その人たちのことを覚えて、ベルリンの各所にその記念碑が建てられています。

これは、ドイツの国会議事堂ですが、その前の広場の片隅に、ナチスによって処刑された政治家の記念碑があります。


ロッテ・チンケ
1891−1944
ラーフェンスブルク強制収容所
そこから少し歩いたところ、「ヨーロッパ・ユダヤ人犠牲者記念館」の前の公園の一角に、同性愛者の犠牲者のための記念建築物があります。

建物の小さな窓から中をのぞくと、ちょうどこの建物の場所で
口づけしあっている二人の青年の映像が繰り返して映写されています。
この記念建造物の横にその説明がありましたので、概略を訳して紹介します。
ナチスは法律で男性の同性愛者を犯罪者として定め、何千にもの人が強制収容所に送られました。その内の多くは餓死、病死、虐待死、処刑によってその命を失いました。
当時は女性の同性愛者はナチスにとってはそれほど問題視されてはいませんでしたが、抑圧された生活を余儀なくされ、自分自身をカモフラージュして生きていかなければなりませんでした。
長らくこの同性愛者の犠牲者はナチスの犠牲者の記念から除外されており、西ドイツにおいても1969年までは同性愛者は犯罪者であるという法律が効力を持っていました。
ドイツはこの歴史を顧み、同性愛者の人権が傷つけられている現実に立ち向かうことを決議いたしました。
この記念建造物を持って、ドイツ連邦共和国は、同性愛ゆえに迫害され殺された犠牲者を悼み、我々の不正義の歴史を覚え、同性愛者に対する不寛容、敵対心、排除に反対する印とします。

現在は、この近くに同じくナチスの犠牲者となったシンティ・ロマの人たちのための記念碑が建築中です。

ハイデルベルクにの町の一角、中心街の建物の壁にもシンティ・ロマの人たちのための記念碑がつけられています。
ナチスの大量殺戮の犠牲者となった
ハイデルベルクのシンティ・ロマをおぼえて

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