クリッペというのは、ドイツ語で「飼い葉桶」の意味ですが、イエスの誕生場面を人形で再現したものをクリッペといいます。クリスマスの時季に家に飾ったり、また教会、お店、そしてブログにも紹介したようにクリスマス市や駅、街角に飾られたりしています。
家庭用のものは、クリスマス市でもキリスト教専門店でも買うことが出来ます。
大きいものは等身大のもの、本物のロバや羊などと一緒に置かれたものもあります。
木彫りの趣のあるものから、リアルなもの、これってマネキンに衣装を着させただけじゃんとちょっとチープな感じがするものもあります。
小さいものだと、マッチ箱に入る小さなものもあります。安いものから高いものまで本当に様々です。日本の雛祭り人形を想像されるとわかりやすいかも知れません。
基本的には、バロック調の(わたしにとっては少し派手な感じの)ものが伝統的ではないでしょうか。こちらは非常に細かい仕事をしています。
最近は、イスラエル(?)でオリーブの木で作られた、伝統的なものと比べると少しデフォルメされたようなものが安価で売られています。
もう一つは、これはドイツのものですが、オストハイマー社の木造木彫り人形のクリッペです。表情や表現は伝統的なクリッペに比べて単純ですが、その分、想像力を高めます。手作りだけあって、結構な値段がします。
もう一つのはやりは、南米産の粘土で作られたものです。実際はどこで作られているのか知りませんが、ヨーロッパのものとはまた違う趣のあるものです。
最後にぜひこれは日本の教会の方々にお勧めしたいのが、自分たちで作ったオリジナルのクリッペです。売られているもの、また他の工芸製品に比べると必ずしも美しいとは言えませんが、ここには様々な信仰的な表現に満ちています。
これは以前にお伝えしたことのあるハイデルベルクのカトリック教会の中に飾られているものです。
ここにたくさんの人形(人物)がおかれていますが、聖書の物語の登場人物、また現在の人など見いだすことができますか?
今からでは遅いですが、ぜひ来年のクリスマスに向けてご自分の教会でクリッペを作ってみてはどうでしょうか。
- そこにどのような人を登場させるのか。
- どのような場面でイエスが生まれたのか。
- そのクリッペを通じて現在に何を表現したいのか。
そういった神学的・聖書的解釈、信仰的な主張が非常に重要になってきます。ヨーロッパの物を買うよりも、ぜひ自分たちで考えてオリジナルのものを創ってみてください。
わたしも、この際ドイツでクリッペを買って帰ろうと、ずいぶんといろいろなクリッペを見てきましたが、どうもみんな気に入りません。表情がいまいちだったり、大げさすぎたり、値段が高すぎたり、いまひとつ購入に踏み切れず、諦めました。
諦めたというより、自分でつっくたらどんなかんじになるだろうかと、考えているところです。
みなさんも一緒に考えてみませんか。1年後にその発表会が出来たらいいのですが。
手作りのクリッペ、表現主義っぽい感じでいかにも「土着」な感じですね。そちらの人々にとっての。日本人にとっての土着な表現てどんなのだろう。今さら雛人形風にしてもかえって遠い感じもするし。
返信削除ぬまさん
返信削除まずは、見本を見せずに、こどもたちに物語だけを聞かせて、粘土でクリッペを作らせてみてはいかがでしょうか。ご自分でもいわゆる聖書物語イメージから解放されて、まずは粘土で挑戦してみてください。
わたしも有刺鉄線でイエスの十字架像を造ったことがあります。造ることでいろいろと思索できるものです。
あの有刺鉄線の十字架はインパクトあります。
返信削除私も「買う」ことを念頭に「いいもの」を探して来ましたが
(ひとつ、気に入った物を買いましたが)
「自分(たち)で作る」という選択はいいですね。
来年の学部クリスマス礼拝は、
手作りのプレセピオを飾りながらにしましょうか。
クリッペ特集、ありがとうございます! 南米のがとっても珍しかったです。イスラエルでそういえば、オリーブの木のものを見ました。高くて、8センチほどの小さなものしか買えませんでしたが。
返信削除自分で作ることは……考えてみたことがありませんでした。でも、それも一つの信仰表現、ぜひトライしてみたいです。