平坦地に作られたコースをまるで靴下で廊下を滑っていくように歩いて行くものです。上手になると、起伏のある森の中のコースを歩いて行くことも出来ますし、別のスキー板でまるでスケートのように滑っていくことも出来ます。
山の上から滑降してくるスキーとは違って危険なこともありませんし、友人も「大丈夫、大丈夫、全く安全だし、あまり技術もいらないし、歩いているのと同じだから」と言われて、1年間机に座りっぱなしのわたしも歩くことは出来ます。やってみることにしました。
スポーツ店で板とストック、靴を借ります。スキー板は幅が7センチぐらいでとても軽く、靴もスケートシューズみたいな感じです。一般のスキー靴を履いてロボコップのように歩くことはありません。
さて、そのコースに着くと、延々と2本のラインが何列か平行して伸びています。この2本の溝の上を、すり足で右・左、右・左と歩いていくだけです。右や、左にそれていくことはありません。
「さあ、やってごらん」といわれて、そのレールにスキーを入れました。そして足を進めてみると、おっとっと、おっとっと、足は前に行くのに、上半身は残ったまま、そのままステンと転んでしまいました。友人は「えっ、何でこんな真っ平らのところで転んでいるの」というような顔で見ているし、50才を過ぎて転んで起きるなんてことを日常生活で経験していないからだは、この起き上がることで悲鳴を上げています。
まあ、何回か転んでは起き、転んでは起き(七転び八起き、むしろ七転八倒)しながら徐々にコツもつかめてきました。ぐらつくことがあっても転けることはなくなり、シューッ、シューッ、シューッという軽快な音を立てながら滑っていくことが出来ます。
おっ、なかなか上手になってきたなあと思っていると、隣のレーンをかなり年配の夫婦が、シューーーーッ、シューーーーッ、シューーーーッとわたしを追い越していきました。
くそ、負けないぞと思って足を進めて行くけれども、その距離は縮まらず、どんどん引き離されていきます。ふと気がつくと、まわりのきれいな景色を見る余裕もなく、ひたすら目の前の2本の筋を見つめるだけ、からだは汗まみれ、頭からは湯気が立っていました。なにやってんだろ。
まわりの雄大な景色が、オイオイそんなに慌てなさんな、もっとマイペースで、楽しまなきゃ、周りを見渡してごらん、わたしたちはじっと動かずにここにいるよと言ってくれているようでした。
ようやく8キロほど走り抜き、少し景色を楽しむ余裕もでてきて、美味しい昼食にありついたときには、爽快そのもの。
写真と先生のコメントを見させて頂いていると、まるで私も体験しているような気分に引き込まれました。周りの景色を楽しむ余裕もなくひたすら足元しか見えてないことが多いので・・・。
返信削除その爽快さを味わいたいです!
Ieyamaさん
返信削除コメントありがとうございます。帰国したら、このまわりの景色の写真お見せしますね。お楽しみに。