2010年3月31日水曜日

Citykirche Reutlingen (ロイトリンゲン シティー・チャーチ)



 以前、『現代ドイツ教会事情』でも紹介したロイトリンゲンのCitykirche(シティー・キルヘ:シティー・チャーチ)を訪問して、そこで働いている牧師にインタビューしてきました。

 シティー・チャーチとは何かということは、その都市都市によって違うので、一言で言うことは出来ないのですが、街の中心にあって、その街の人々の必要に応じて活動する開かれた教会だと言えます。

 教会といっても、教会員がいて、毎日曜日礼拝をしているというわけではありません。この教会は、ロイトリンゲンのプロテスタント教会とカトリック教会が協力し、プロテスタントの牧師とカトリックの神学教育を受けた教育主事の二人によって運営されています。ロイトリンゲンでは、二人とも女性です。街の中心にあるチャペルを用いて行われています。

 ここでいったい何が行われているのかというと、
1)カフェ ニコライ 火-土、9:30-18:00
2)出会いと懇談 火-土、10:00-18:00
3)個人的な面談 火 10:00-12:00、木 15:00-18:00
4)正午の休息 火-土、12:30 食事中の訪問者に2-3分の短い説教を語る。
5)連帯と相談 カトリックのソーシャルワーカーによる相談
6)逝去者追悼会 第1金、16:00-18:00 最近親しい人を亡くした人たちの集まりで、グリーフワークが行われています。
7)その他催し物、また自由に入って椅子に座って聖書を読んだり、一人静かにいることも出来ます。
というようなことです。

 わたしたちもここで昼食をとり、牧師のメッセージを聞きました。特にシティー・チャーチということで特別なことはなく、普通のカフェだと言えます。特にそこにいる人たちを教会に誘うわけではありません。わたしたちが聞いたメッセージも特に伝道的であるということではなく、わたしたちに何かを発見させ、考えさせるようなものでした。
 ドレコール牧師がいうには、この活動は30-50代の市民を対象にしているということです。先日紹介した社会福祉を目的としたレストランとは違って、食事も特に安価なものであるというわけではありません。定食が800-900円ぐらいです。
 他の一般の教会と競争をして信徒の取り合いをするつもりはないということです。聖書研究をするわけではなく、キリスト教講座を開くわけではありません。
 ただ、出来るだけ教会への敷居を低くして、この活動の中で、言葉を通してではなく、その存在によって神の近さを感じてもらいたいということでした。「わたしたちは言葉で語ることなしに福音を伝えていると思っています」という言葉は印象的でした。

 この運動がこれからどうなっていくのかは分かりません。ひょっとすると市民からは外見のカフェを利用されるだけかもしれません。しかし、人々が求めているものを提供し、神の近さを感じてもらいたいというコンセプトは新しいものをもたらせてくれるのではないでしょうか。対象を明確にして、専門化するというのはドイツ人独特のセンスですが、学ぶべき所もあるように思います。

 日本の都会の教会、シティー・チャーチをやってみませんか? 世界の教会は動いています。
 
 

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