2010年4月20日火曜日

バッハ・カンタータ神学解釈ゼミ

先日、ブログに書いたように、メラー教授のバッハのカンタータを神学的に解釈するゼミに参加してきました。
18:15−19:45の時間帯のゼミです。30人ぐらいのクラスです。ドイツの大学には履修登録はありません。ですから出席表もありません。
授業は今回で2回目なのですが、メーラ教授が
「いまここにいる人が、ゼミの参加者と思っていいですか。欠席は2回まではしかたありませんが、3回を越えたら、ゼミ参加証明書は出せません.もちろん参加するのはかまいませんが証明書は出せません」
ということです。
なかなか厳しいのと、結構アバウトな感じです。でも、結局自分なのです。自分が自覚的に参加して、積極的に課題に取り組んで、それで得た成績を集めて自分の必要な学位の条件や証明にするということです。
続けて、
「このゼミで、バッハのカンタータの神学的解釈を試みたい人は次週までに申し込んでください」
ということです。このゼミでは何もしなくても、そこにいるだけで参加証明書はもらえます。しかし、その上に発表をすることでそれを評価した成績証明書がもらえるわけです。
いまひとつドイツの大学のシステがよく分かっていませんが、とにかくやりたい人が自主的にやりたいことをやって、自分に必要な単位を集めるということです。
もちろん、いろいろな資格やテストの前提条件がありますので、自分がそのテストを受けたければ必修科目も決まってきます。別の言い方をすると、必修科目は自分で決めるわけです。なんだか日本の大学は親切すぎて、学生は受け身的な感じがしますね。まあ、それぞれのお国柄ですから。

さて、バッハのカンタータの解釈ですが。
今日は、概論の第2回でマウトナー講師(共同主催者)の講義です。
1.文献紹介
2.バッハ受容史
3.カンタータとは何か?
4.解釈の方法論
というのがゼミの内容でした。バッハの死後、啓蒙主義と敬虔主義の理性中心主義・個人主義の時代の流れの中ではなかなかバッハは評価されず、非常に厳しい批判もあったそうです。それが19世紀半ばロマン主義の登場で再び評価されてきたということです。その後20世紀に入りようやく神学的な評価の取り組みがなされてきました。

バッハの解釈の話に入ったのですが、マウトナー講師が用意した内容の5分の1ぐらいのところで、19:40ぐらいになると、学生がそわそわし始めます。別にチャイムは鳴らないのですが、そろそろ終わりだということです。この辺は日本の学生もドイツの学生もあまり変わりありません。

ただ、驚くべきことに、ドイツの学生はほとんど授業中居眠りをしていません。それを学生にいうと、ドイツの学生は眠たければ授業に出てこないだけだということです。眠たくても授業に出てきて居眠りをしてしまうのと、眠たければ授業に出ないのとはたしてどちらが良いのでしょうか。
それともドイツの教授の話はそれほどおもしろく、日本の教授はそうではないということでしょうか。ドイツの授業ではレジュメもなければ、板書もなし、パワーポイントなんてものも使いません。ただ、しゃべっているだけ、学生はそれぞれにノートを取っている。最近はノートパソコンの持ち込みも多くなりました。わたしの隣の学生は、違う文章を見たり、インターネットを開けてみたり、この辺は日本の学生と同じかな。

講義でおもしろかったのは、
バッハのカンタータで用いられている楽器にはそれぞれモティーフがあるということです。
たとえば、
縦笛(リコーダー)は死 (昔リコーダーは空洞の骨を用いられていた)
ホルンは羊飼い
トランペット・ソロは勝利
金管楽器は勝利や統治
などといったことです。あとはリズム、メロディー、ハーモニーにもそれぞれ意味なりモティーフがあるということでした。

バッハ、なかなかすごい(そんなことも知らなかったのかと言われるかもしれませんが)。
とにかく、学ぶことは楽しいですね。

解釈についての残りは来週のお楽しみだ。

ただ、カンタータを聞いて、この楽器を聞き分けられるのか。中学の音楽の実音テストを思い出す。

いま、鈴木雅明指揮 日本バッハ・コレーギウム演奏のバッハCDが話題になっています。なんとこの演奏を神戸松蔭女子学院大学チャペルで聞けるんですよ。

2 件のコメント:

  1. 楽器にモティーフがあるってのはいいですね!!
    バッハに限らずいろんな音楽を聴くときに参考に出来そうですね☆
    日本の大学は一部の教える側の方々にも問題があるのかもしれませんね。皆さんがメラー教授ぐらいやる気をもっていたら学生も変わるかもしれないですね。(この発想自体が既に受身かもしれないですが・・・)
    最近日本でにわかに流行ってる歌をお届けします!!
    http://www.youtube.com/watch?v=Jyvlrdgt1KY

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  2. なるおさん
    おっしゃるとおりですよ。メラー教授がどれくらいやる気があるか分かりませんが、教える方にも問題はあります。でも、ドイツでは教授は週3−4コマほどです。院のゼミ生は、自分で研究するのでほったらかし、話があれば学生の方から連絡を取ります。日本の教授はだいたい週8コマぐらいはあるんじゃないですか。それじゃやる気も続きません。学生も日本人みたいに20何コマも取りません。それに、ドイツ語も、英語も、ラテン語もないんですよ。この辺の違いがどうにかならないのでしょうか。
    まあ、そういっていてもしかたがないので、なるおさん帰ったらバリバリやりましょう。(^^)/

    ロンリーハーツ親父バンド、なかなか良いですね。Danke!

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