これは,すべてを開いたときのものです。向かって左からイエスの誕生、中央に復活を表すエマオへの道での食事の場面、そして右が最後の審判・新しいエルサレムが描かれています。
次に、両翼の絵を閉じたときの祭壇画です(本の絵をカメラで撮ったので少し画質が悪いですが)。左からイエスの受難、真ん中が十字架から降ろされたイエス、そして右がいなくなった息子たちのを思い嘆くラケル(エレミヤ31:15)が描かれています。なぜラケルなのかは,少し説明が必要でしょう。
その季節の礼拝のテーマ、教会暦に従って、絵のモティーフを変えていくわけです。
そして、この祭壇画の中央下には一本の道をはさんで立っている二人の男性がいます。
まず、この一番下の絵は、この教会の歴史を描いています。中央にまっすぐに伸びているのがホーエンベルクにつながる巡礼の道です。右に立っているのが、十二使徒の一人、ゼベダイの子ヤコブです。帽子につけているホタテ貝が彼の象徴です。伝説ではスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラにヤコブの死骸が祀られており、エルサレム・ローマに並ぶキリスト教の三大巡礼地になっています。『サン・ジャックへの道』(クリック)(サン・ジャックはフランス語で聖ヤコブの意)という映画を見られた方もいらっしゃるでしょうか。ドイツでも巡礼の道には巡礼者を象徴するホタテ貝をレリーフした道標があります。聖ヤコブの後ろに夕日で照らされているのがサンティアゴ・デ・コンポステーラです。
左にいるのは、1690年にこの地に十字架を立てたフィリップ・イェニンゲン神父です。彼の前の柱は十字架の縦柱で横柱の陰が彼の顔に映っています。
このどちらもが中央のキリストの十字架と復活を仰ぎ見ています。
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