2010年9月7日火曜日

ジーガー・ケーダー神父 3 ローゼンベルク教会祭壇画(2)

まず、開かれた祭壇の左側のイエスの誕生場面を見てください。
中央にはイエスを抱いた母マリア、その下には飼い葉桶、赤ん坊をのぞき込む羊飼いの娘とその上に星が輝いています。左奥には眠っているヨセフ、つまり夢を見ているヨセフがいます。ヨセフは夢を通して、このこどもに隠された真理そしてその運命が示されまあした。その夢見るヨセフは、夢解きでエジプトを救った族長ヤコブの子ヨセフを思い起こさせます。
絵の下には「エッサイの根」から生え出でたひこばえ(ダビデ王)を表すクリスト・ローゼが描かれています。イエスの飼い葉桶を支えているのがダビデ王です。
単に旧約との関係だけではなく、飼い葉桶の板には「INRI」という文字を見ることができます。これはイエスの十字架の上に釘打ちつけられた板「ナザレのイエス、ユダヤの王」(INRIはそれぞれの言葉の頭文字)であり、すでに飼い葉桶にイエスの十字架が暗示されています。
飼い葉桶だけではなく、この家畜小屋の屋根を支える柱が十字架を示していることが分かります。
今優しく母に抱かれているイエスが、十字架の死後もう一度母マリアの膝に抱えられることになります。

この絵の光は右上の星から放たれているようですが、絵の中心のイエスから光が発せられ、外枠の方に行くに従って暗くなっています。

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